物質化学コースの松嶋教授と小畑准教授がKOA株式会社との共同研究によって開発された発明が特許として認定されました。本校は、高等教育機関として産業界の技術向上と新たな事業分野の開拓に貢献するため、研究活動に鋭意取り組んでいます。
【発明の名称】
ガスセンサ及びアルカリ土類フェライトの製造方法
【発明の概要】
本発明は、ガスセンサ及びガスセンサのガス検出部に適用される塩基性酸化物の製造方法を提供するものである。
【発明が解決しようとする課題】
従来の酸化物を用いた半導体式ガスセンサでは、ガス検出感度が頭打ちになる。このため、検知したい対象ガス(CO2など)との反応性が高いとされる成分で酸化物微粒子の表面を被覆する等の処理を行うことで検出感度を高める試みが行われていた。しかしながら、被検ガスの検出性能を実際の適用場面に応じた要求に応えるレベルに至っていない。
【課題を解決するための手段】
本発明に係るガスセンサによれば、ガス検出部に、塩基性酸化物の薄片状粒子を用いることにより、隣接する塩基性酸化物の薄片状粒子間における粒界抵抗が抑えられる。それゆえ、ガス検出部に薄片状粒子を用いた場合は、ガス検出部に微粒子を用いた場合に比べて、ガス検出部の内部抵抗が相対的に大きくなるので、ガスの吸着に伴う内部抵抗の変化が検出されやすくなる。したがって、ガスセンサの検出感度を高めることができる。
【発明技術の応用分野】
近年、オフィス内又は家庭内等の住環境、または、農業・バイオ関連分野等において、一酸化炭素、二酸化炭素又はNOx等の特定ガスを監視する需要が高まっている。本技術は、室内空気質の監視への応用が期待されている。